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『初、恋のために』感想・キャスト・あらすじ|泣いて笑って癒される。母と娘それぞれの初恋と人生の第二幕を描く物語

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「あの日、恋は終わったと思っていた──」
「私は、誰の人生を生きてるんだろう?」

人生を娘に捧げてきたシングルマザーと、母の期待に応え続けてきた医大生の娘。真逆の立場にいる二人が、それぞれ“自分の人生”と“本当の恋”に向き合っていくヒューマンロマンス。

韓国ドラマ『初、恋のために』は、親子で迎える“人生の第二幕”と、“もうひとつの青春”を描いた新感覚のラブストーリー。心を締めつける親子の葛藤と、やさしく心に染みる恋模様。涙のあとにきっと、あたたかい余韻が残ります。

この記事では『初、恋のために』の感想、キャスト情報やあらすじ、視聴できる配信サービス、登場人物紹介までたっぷりご紹介します。

Contents

作品情報

作品名

初、恋のために
(첫, 사랑을 위하여)

エピソード数

全12話

ジャンル

主演

好き度・満足度

★★★★★=とても好き [★の基準]

配信日

2025年8月4日(月) スタート

最終話まで配信されています

配信サービス

U-NEXT 独占配信 初、恋のために

本ページの情報は2025年12月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

あらすじ

すべてを娘に捧げて生きてきた。
イ・ジアンは、人生の喜びも悲しみも、“母であること”を軸に歩んできたシングルマザー。建設現場の現場監督として働きながら、強い意志と根性だけを武器に、誰にも頼らず生きてきた。

医大に通う娘ヒョリは、そんなジアンの誇りであり、人生そのものだった。けれど、思春期をすっ飛ばして育ってきたヒョリが突然、遅れて反抗期を迎えたことで、ジアンの心に小さな亀裂が走り始める。

「あれ、私はいつの間に、こんなに疲れていたんだろう」

娘にすべてを注いできたからこそ、自分のことを後回しにしてきた。そのまま坂道を転がるように人生が終わっていく──そう思いかけたそのとき、ジアンはふと訪れた静かな村で、かつての“初恋”リュ・ジョンソクと再会する。

ジョンソクは、ひとり息子と穏やかに暮らすシングルファーザー。真面目で控えめな彼の変わらない笑顔が、ジアンの心をほんの少し柔らかくしていく。

一方、ジョンソクの息子ボヒョンは、小さな花農園を営む青年。子どもの頃から「やりたいこと」を知っていた彼の前に、キャンピングカーで突然現れたのは、あの反抗期まっさかりのヒョリだった。自由で奔放な彼女に振り回されながらも、ボヒョンは自分でも気づかなかった新しい感情に出会っていく。

人生の“次の章”に差しかかった大人たちと、今まさに“はじまり”を迎えた若者たちが紡ぐ、小さな再生の物語。

明日が当たり前にあるとは限らないから。“今”というかけがえのない瞬間に、心を寄せることができたなら、それはきっと、「初恋」よりも深い“はじまりの恋”になる。

キャスト・登場人物

イ・ジアン

 演:ヨム・ジョンア

建設現場の所長。工事現場を仕切る、カリスマあふれる“姐御”のような女性。

根性・実力・人情、すべて揃ったジアンの前では、大抵の男たちも頭が上がらない。シングルマザーとして一人で育てた娘ヒョリは、なんと一発合格で韓国大学の医学部へ。

「白衣を着た娘の姿を見れば、今日のトラブルも乗り越えられる」
そう信じて、理不尽な上司にも問題だらけの現場にも、歯を食いしばって立ち向かってきた。

ところがある日、そのヒョリが突然姿を消してしまう。20代にもなって、家出に大学中退!?いつも冷静沈着だったジアンの心が、初めて大きく揺れる。

さらに、信頼していた同僚にお金を持ち逃げされ、現場では資材盗難トラブルまで発生。泣きっ面に蜂のような日々のなか、それでも“人生で一番大切なもの”を取り戻すため、ジアンは娘を追って静かな海辺のトソン村へ向かう。

タフで不器用、それでも愛にまっすぐなジアンの“人生の第2幕”が、ここから始まる。

リュ・ジョンソク

 演:パク・ヘジュン

国際的な建築賞を受賞した経歴をもつ、実力派の建築設計士。

静かな海辺のトソン村で設計事務所を構え、ひとり息子・ボヒョンと穏やかに暮らすシングルファザー。洗練されたルックスの“理想の大人男子”に見えるが、実はズバッと本音を語る辛口な一面も。歯に衣着せぬ物言いで周囲を驚かせることもしばしば。

同じ大学に通っていた女性ヨジョンと結婚し、ドイツへ留学。妻の夢を応援するため、自らの学業を後回しにして育児を担ったが、結果的にふたりは別々の道へ。息子を連れて韓国へ戻り、父として、建築家として、地道に人生を築いてきた。

そんな彼の静かな毎日が、ある日突然、嵐のように現れたシングルマザー、ジアンとその娘ヒョリによって大きく揺れ始める。

思いがけず訪れた“新しい出会い”が、ジョンソクの止まっていた時間を、ゆっくりと動かしはじめる──。

イ・ヒョリ

 演:チェ・ユンジ

誇り高きシングルマザー、ジアンの“自慢の娘”。

名門大学の医学部に通う才女として周囲の期待を一身に背負ってきたヒョリは、一見完璧に見えるけれど──本当は心が少し、迷子だった。

父のいない家庭で育ちながらも、強く明るく、真っすぐに生きてこられたのは、どんなときも味方でいてくれた母と、父親代わりになってくれた叔母の存在があったから。けれど、成績が上がるたびに、母が“理想の人生”を押しつけてくるようになり、自分の気持ちはどこかに置き去りにされていく。

「お母さんが望む私」と「本当の私」のギャップに苦しみながら、ついに医学部を飛び出し、ヒョリは人生の旅に出る。それは、ただの“反抗”じゃない。自分の幸せを、自分の手で選ぶための、ささやかな革命だった。

そんな放浪の途中で出会ったのは、花を育てる青年ボヒョン。彼との時間の中で、ヒョリは“誰かの夢”ではなく、“自分自身の心”と向き合っていく──。

リュ・ボヒョン

 演:キム・ミンギュ

静かなトソン村で、花を育てながら穏やかに暮らす青年。

父ジョンソク譲りの無愛想なようで実は優しい“ツンデレ気質”で、どこか放っておけない魅力の持ち主。地域の人々からも愛される、まるで“村の太陽”のような存在。

かつては成績優秀な学生だったものの、「何が好きか」「何になりたいか」がわからず、進学をやめて旅に出た過去を持つ。自分の心と向き合いながら、全国を巡ったその旅の果てにたどり着いたのが、“花”だった。

それ以来、地元の農園を引き継ぎ、今では6年目のベテラン若手農夫。土に触れ、花を育て、季節とともに生きる日々のなかで、ボヒョンは静かに、確かに成長を重ねている。

そんなある日、村にふらりと現れたキャンピングカーの中の少女──イ・ヒョリ。どこか影を抱えたような彼女に出会った瞬間から、ボヒョンの心に小さな変化が訪れる。

彼女の笑顔も沈黙も、なぜか気になって仕方がない。やがてその感情は、ボヒョン自身も知らなかった“初めての恋”へと、そっと芽吹いていく──。


キム・ソニョン

 演:キム・ソニョン

建設現場の“胃袋”を支える名物料理人にして、主人公ジアンの心強い親友。ざっくばらんで裏表のない性格、正義感と友情に厚く、仲間にはとことん味方する“情の人”。

ジアンとは、仕事仲間を超えて家族のような絆でつながる大親友。ジアンがシングルマザーであることを知ったときから、娘ヒョリの“もうひとりの親”を自任し、ふたりの母娘を温かく支えてきた。

しかし最近は、ジアンとヒョリの間に高まる親子バトルに巻き込まれ、胃薬が手放せない日々。
「遅れてきた反抗期vs口うるさい更年期」の仁義なき戦いに、真ん中で板挟みになりながらも、やっぱり笑いと愛情でふたりを見守っている。

どんなときもジアンの味方であり、彼女の幸せを誰よりも願っている。

ユン・テオ

 演:ヤン・ギョンウォン

海風をまとって自由に生きる、“海辺のヒッピーガイ”。

サーフィンボードの上ではキラキラと輝く姿が絵になるものの、ひとたび口を開けば“ん?”と首をかしげたくなる、天然でお調子者のエネルギー系男子。

かつてはプロの道も期待された野球選手だったが、ケガによって夢を断念。心にも傷を抱え、家族とも距離を置くようになった彼が、人生のリスタートを決意してたどり着いた場所が、海辺のトソン村。

そこで出会ったのがサーフィン。波と風に身をゆだねるうちに、少しずつ自分らしさを取り戻していった。今では、慎重派のボヒョンとは年の差を越えた友情を育み、村のちょっとおせっかいな人々とも心地よい距離感でつながっている。

そんなテオの目に飛び込んできたのが、突然村に現れたジアンとヒョリの母娘。どこか訳ありで、それでもまぶしい彼女たちに、テオは思わず惹きつけられていく──。

チョン・ムンヒ

 演:キム・ミギョン

謎めいた女性。

ミミおばあちゃん

 演:カン・エシム

小さな港町トソン村で“ミミ商店”を切り盛りする、パワフルでおしゃべり好きなおばあちゃん。

本名はキム・マルスン。まるで村の守り神のような存在で、年齢を感じさせない鋭い観察力と、おせっかいだけどどこか憎めないおしゃべりで、今日も村中の話題をさらっている。

「ミミおばあちゃんに隠し事はできない」と言われるほど、誰よりも早く人の心の動きを察知し、時にはズバッと核心を突くことも。その一方で、ふとしたときに見せる人生の深みと知恵には、みんなが思わずうなってしまう。

ドタバタとした村の日常の愛すべきマスコット的な存在であり、時に人生の道しるべとなる“名物おばあちゃん”。

コ村長

 演:チョン・ヨンジュ

トソン村の誇り高き“初の女性村長”にして、6期連続で村長を務める実力派リーダー。

若い頃は田舎暮らしが嫌でソウルの工場に就職するも、都会の喧騒と複雑さに馴染めず、広い空と海が広がるトソン村の風景に心を奪われ、気がつけばこの地に根を下ろしていた。

頼れる夫とともに米作りに励みながら、村の未来を支えるために尽力する姿は、まさに“トソン村の母”。正義感が強く、面倒見も良く、時に厳しく、時に優しく村人を導く姿は、誰もが一目置く存在。

どこか懐かしくてあたたかい、そしてちょっぴりお節介な“村の頼れる女ボス”。

コ村長の夫

 演:パク・スヨン

のんびり屋でお人好し、どこか抜けてるけど憎めない“癒し系お父さん”。

若い頃、工場で出会ったコ・イジャンに一目惚れし、彼女のひと声で迷いなく村へ移住。以来、彼女の背中を見守りながら、トソン村の地で米作りに励んでいる。

器用ではないし、強い信念を語るタイプでもないけれど、どこかにいるとホッとするような存在感。村長という立場で奮闘する妻を、いつも静かに支える「裏の功労者」でもある。

愛妻家でおっとり、でも心根は誰よりも温かい──そんな彼の存在が、今日もトソン村にやさしい風を運んでくれる。


イ・スク

 演:ヤン・ユジン

大学生。ヒョリの親友で、彼女の一番の理解者。

ユ・ドンソク

 演:イ・テフン

トソン村の入り口にある食堂の末息子。

イ・ジェドン

 演:チョ・ボムギュ

約6千坪の有機玉ねぎ農場を営む青年。

キム・ソヨン

 演:チョン・フェリン

花やフルーツの栽培を手がける農業の後継者の女性。

予告動画

ロマンス、笑いと癒し、温かい人間ドラマを描く演出家

ユ・ジェウォン監督

『初、恋のために』の演出を担当するユ・ジェウォン監督は、それぞれの年代の人たちが抱える人生の葛藤を自然に描き出し、登場人物の心の揺れに共感を呼ぶ描写が得意です。また、ロマンスやヒューマンドラマに定評があり、笑いと癒し、温かい人間ドラマを同時に描くことで知られています。

近年の代表作

  • 『アビス』(2019年)
  • 『ハイバイ、ママ!』(2020年)
  • 『海街チャチャチャ』(2021年)
  • 『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』(2023年)
  • 『となりのMr.パーフェクト』(2024年)

『初、恋のために』は、人生の第2章に差しかかった大人と、青春の葛藤を抱える若者という異なる世代の “再生” の物語。

事故や失恋、大切な人との別れを経た登場人物たちが、静かな海辺の村で再び心を開いていく様子は、ユ監督の得意とする“再生と癒し”のテーマと見事にマッチしていると言えそうです。

ロマンスに癒しと共感を織り交ぜる心温まる演出、生活感や人間性を丁寧に描く演出スタイルのユ・ジェウォン監督ならではのドラマに期待が高まります。

感想『初、恋のために』

正直に言うと、最初はあまり興味が湧かない作品でした。出演者にもあらすじにもピンとこなくて、「そのうち観ればいいかな」と思っていました。でも、このブログに「初、恋のために」という検索ワードから訪れる人が多くて、「もしかして、思ったよりいい作品なのかも?」と気になってしまい…。思い切って視聴してみたら、想像していたより早い4日間で全話完走! 観終わったあとは、心がじんわり温かくなって、やさしい気持ちになれました。


『初、恋のために』を観て、「生きることって、こういうことなのかもしれない」と、ふと立ち止まりたくなるような時間を過ごしました。物語の中心にいるのは、母ジアンと娘ヒョリ。でも実は、ふたりは血のつながった親子ではありません。ジアンの親友の子どもであるヒョリを、ジアンが育ててきたという背景があります。

それでも、彼女たちの関係性は本物の親子そのもの。言いたいことを遠慮なく言い合い、ときにはぶつかりながらも、根底にある“深い愛情”が静かに伝わってきます。

物語序盤のソウルで暮らしていた頃のふたりは、日々の生活に追われて自分の心を見失いかけているようにも見えました。ジアンはヒョリのために、ヒョリはジアンのために、がむしゃらにソウルでの暮らしを生き抜いている。それは尊くもあり、でもどこか切なくもありました。

ジアンはヒョリの話を聞かずに一方的に話したり、医大に通うヒョリを同僚に自慢したりすることもありました。そして、ヒョリはそのことを自分の話を聞いてくれないと孤独を感じたり、同僚に自慢することも負担に感じ、心を閉ざしていたように見えました。

そんなふたりの人生がヒョリの病気をきっかけに変わり始めるのです。ジアンもヒョリも「本当は病気が怖い」と素直に気持ちを打ち明けたことをきっかけに、ふたりは少しずつ丁寧に本音を伝え合うようになっていきます。

無理をしてでも頑張ることが“愛”ではないことに気づき、お互いにとって本当に大切なものは何かを見つめ直していく…。その過程がとても丁寧に描かれていて、観ているこちらの心も少しずつほぐされていくような感覚でした。

なにより心に残ったのは、ヒョリのジアンへの深い想いです。強がりで素直になれないけれど、母を想う気持ちは真っ直ぐで愛に溢れている。1話ごとに少しずつ明かされていくヒョリの気持ちに、何度も涙ぐみました。

自分の病気のことで精一杯なはずなのに、ジアンの未来を何よりも案じている。手術の日が決まったあと、ヒョリはジョンソクに会いに行き、「もし私がいなくなったら母を頼みます」とでも言いたげな思いを、やわらかく遠回しに、それとなく伝えました。そんなヒョリの気持ちを、ジョンソクが静かに受け止める…その場面には、思わず涙がこぼれました。

タイトルだけを見ると、ロマンス中心のドラマのように感じるかもしれませんが、実際には「親子愛」がテーマの、心にじんと響くヒューマンドラマです。田舎町トソンで出会う人々との関係性の中で描かれるさまざまな家族のかたちや、生き方の選択にも大きく心を揺さぶられました。静かだけど、深くてあたたかい。そんな物語を求めている方に、観てほしい作品です。


『初、恋のために』を観て感じた一番の魅力は、登場人物の思慮深さと思い遣りの心です。とくに印象的だったのは、ヒョリ、ボヒョン、ソニョンの3人です。言葉だけでなく、表情や行動のひとつひとつから、誰かを想う気持ちがにじみ出ていて、それが本当に美しかったです。

この3人はそれぞれ違う個性や性格だけれど、心の中ではそれぞれ沢山のことを想っているように感じました。その沢山の想いの中から紡ぎ出す言葉が、どれも愛のある表現で、相手をとても大切に想っていることが感じられて心に響きました。

ヒョリの気持ちはドラマ中に何度も出てきますが、どの想いも「もし病気で私が死んだとしたら、それでもジアンにはジアンらしく生きてほしい」という愛がこもっていて愛おしいものでした。病気を治して生きるつもりではいるけれど、もし…もしも自分が死んでしまったら、母ジアンは生きがいを失ってしまうのではないか、ということを何度も何度もヒョリなりに考えていたことも感じられる言葉ばかりでした。

ボヒョンは、いつもヒョリを大切に想っていて、言葉で慰めたり励ましたりするタイプではないところが魅力的でした。ヒョリを見晴らしの良い場所に連れて行ったり、蛍を見せに連れ出したりと、そっと寄り添うように行動でやさしさを伝える人です。ヒョリの話を無理に引き出すこともせず、代わりに自分の辛かった時の経験を語ることで「暗闇から抜け出すきっかけ」を静かに差し出す姿が、とても印象的でした。その懐の深さからは、父ジョンソクの影響も感じられて、親子のつながりのあたたかさも同時に伝わってきます。

そして、ソニョンは人の気持ちを察する力に長けていて、ジアンやヒョリの心の機微をさりげなく読み取って行動するところに魅力を感じました。時にはジアンの様子を察してジアンをひとりにしてあげ、時にはヒョリを優先してジアンよりもヒョリの味方になり、またある時は、ヒョリと一緒になってジアンを揶揄って──その時その時で、相手にとって一番必要なものを差し出せる、いつでも人のことを大切に思い遣っている人でした。その柔らかな気遣いに、何度も心を打たれました。

他にもトソンという田舎町で暮らす人たちの“やさしさ”も魅力的でした。最初はどの人もちょっと個性が強めに感じます。ぶっきらぼうだったり、変わり者っぽかったり。でも、物語が進むにつれて、実はみんなとても温かい心を持っていることがわかってきて、気がつけばその人柄に癒されていました。

また、このドラマの特徴は、「みんな何かしらの過去や心の痛みを抱えている」というところです。でも、それを前面に出さずに、日常の中で静かに向き合っていく姿が描かれています。トソンの人たちは、一見いつも通りに見えても、ジアンやヒョリの変化に気づくと、さりげなく手を差し伸べてくれる。まるで、「無理しなくていいよ」と背中をなでてくれているような、そんな優しさがあるんです。


ただ、率直に言うと、私は主人公のジアンにあまり感情移入ができませんでした。彼女は40代後半の女性で、大学生の娘ヒョリを育てているのですが、その娘は親友の子どもであり、しかも脳に腫瘍を抱えています。過去の背景もとても大変で、そして現在は建設現場の現場監督という、たくましくて明るい女性。すごく尊敬できる人ではあるのですが、自分とはあまりに性格が違いすぎて、どうしても距離を感じてしまいました。

また、物語の序盤は感動させようとする設定要素的に感じてしまう部分が多くて、少し構えてしまったところもありました。そして、『初、恋のために』というタイトルから、ロマンス要素を期待して観始めた人は、「あれ? 思っていたのと違う」と感じるかもしれません。実際は、ロマンスもあるものの中心にあるのは“親子の関係性”で、ヒューマンドラマに近い印象です。

ちなみになのですが、ドラマを観ながら、『初、恋のために』というタイトルと内容があまりマッチしていないような気がする、と感じることもありました。でも、最終話を観てそのタイトルの意味がふっと腑に落ちました。初恋という言葉の本当の意味、このタイトルを象徴するようなヒョリのセリフがとても胸に響きました。

私にとっては感情移入できないところなどもありましたが、それでも、ジアンのような性格が好きだったり、共感できる人にとってはすんなりと入り込めると思いますし、物語が進んでトソンの人々が登場してからは、違った角度から楽しめるようになります。静かに心に沁みるドラマが好きな方には、おすすめの作品です。


『初、恋のために』は、こんな人におすすめです。

  • 静かであたたかい程よい笑いのあるヒューマンドラマが好きな人
  • 日々の生活で心が少し疲れている人
  • 親子の関係について考えたい人
  • じんわりと感動するストーリーを探している人
  • 人のやさしさに触れたい人

逆に、以下のような方にはあまり向いていないかもしれません。

  • 展開が早いドラマを求めている人
  • 恋愛をメインに楽しみたい人
  • 現実離れした設定や刺激の強い内容を好む人
  • ハラハラするスリルが好きな人

静かな時間をゆっくりと楽しみたい方には、きっと心に響くドラマになると思います。


「都会を離れて田舎町で人生を見つめ直す」というテーマのドラマは、たとえば『海街チャチャチャ』『サムダルリへようこそ』などが思い浮かびます。どれも都会での生活で挫折した主人公が田舎で心を癒やしながら恋に落ちていく、というロマンス中心の物語です。

一方で『初、恋のために』は、ロマンスも描かれますが、それだけではありません。むしろ物語の軸には「親子」というテーマがしっかりと存在していて、人生の痛みや葛藤、後悔と向き合いながら“ほんとうに大切な人とどう生きていくか”を丁寧に描いています。

特に心を動かされたのは、主人公ジアンと娘ヒョリの関係性。それだけでなく、ジアンとジョンソクの大人のロマンスや、ジョンソクと息子ボヒョンの信頼感のある父子関係、ボヒョンとヒョリの可愛らしい恋、ジアンとムンヒが過去の記憶を通じて向き合う親子の痛み、姉妹のように支え合うジアンとソニョン、ヒョリとスクの深い友情など、一人ひとりの人生が丁寧に描かれています。

さらに、村長夫婦やテオ親子など、脇役にもちゃんと背景があり、それぞれの関係性が重なっていくことで、物語に深みが増していきます。似た設定の作品よりも「人間関係の豊かさ」「親子の複雑な感情」が描かれている点も、『初、恋のために』の大きな魅力です。


頑張っているのに空回りしてしまったり、「こんなはずじゃなかったのに」とふと思うことがある方に、『初、恋のために』を観ていただきたいです。このドラマは、がむしゃらに生きる中で見落としてしまいがちなこと、そして立ち止まる勇気の大切さを、そっと教えてくれる作品でした。頑張ることは良いことだけれど、その頑張る方向性を見直すきっかけにもなりました。

私自身、この作品を通して「人の温かさ」や「過去のつらい経験が未来に繋がる力になること」を感じることができました。観終わったあとは、不思議と前向きな気持ちになれて、心がふっと軽くなるような感覚になる作品です。

配信『初、恋のために』

U-NEXT 独占配信 初、恋のために

 
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