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『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』感想・あらすじ・キャスト|切なすぎる愛と運命の行方

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もし、愛する人と出会った場所が、「生き残るために誰かを傷つけなければならない世界」だったとしたら──。

韓国ドラマ『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』は、高麗時代を舞台に、ひとりの女性と8人の皇子たちが織りなす愛と権力、そして避けられない別れを描いた歴史ロマンスです。

この記事では『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』の

  • 感想
  • キャスト情報
  • あらすじ
  • 視聴できる配信サービス
  • 登場人物紹介
  • OST

など、たっぷりご紹介します。

Contents

作品情報

作品名

麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~
(달의 연인 – 보보경심 려)

エピソード数

全20話
*日本の配信では分割されて全30話

ジャンル

主演

好き度・満足度

★★★★★=とても好き [★の基準]

配信サービス

U-NEXT 独占配信 麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~

あらすじ

現代を生きる化粧品販売員コ・ハジンは、親友と恋人に裏切られ、深く傷ついた心を抱えたまま公園でお酒を飲んでいた。虚しさと孤独に包まれる中、目の前の湖に落ちた子どもを助けようとして水に飛び込み、そのまま意識を失ってしまう。

次に目を覚ました彼女がいたのは、信じられないことに高麗時代の宮廷だった。魂は少女ヘ・スの身体に宿り、突然別の人生を生きることになる。

戸惑いながらも新しい世界に身を置くヘ・スは、やがて王家の8人の皇子たちと出会い、彼らの運命と深く関わっていく。

穏やかで思いやりに満ちた第8皇子ワン・ウクとの出会いは、現代で傷ついた彼女の心を静かに癒していく。一方、冷徹な仮面の奥に孤独と痛みを隠した第4皇子ワン・ソは、幾度となく彼女を危機から救い、その存在は次第にヘ・スの心を強く揺さぶっていく。

やがて彼女は、ワン・ソこそが後に“血の皇帝”と呼ばれる光宗になるという、変えられない歴史の真実を知る。

ワン・ソの未来が悲劇へと向かうと分かっていても、惹かれる気持ち…。皇位を巡る激しい争いと陰謀が渦巻く宮廷で、ヘ・スは歴史に介入すべきか、それとも見守るべきか、苦しい選択を迫られていく。

もし出会わなければ、これほど深く愛し、苦しむこともなかったのだろうか──。時代を超えて結ばれた縁は、喜びと同時に避けられない痛みをもたらす。

運命に翻弄される恋の切なさと、若き皇子たちの友情、野心、そして別れを描いた、壮大で美しいロマン史劇。

キャスト・登場人物

第4皇子 ワン・ソ

 演:イ・ジュンギ

生まれた時は太祖テジョワン・ゴンの四男。成長してからは高麗第4代皇帝〈光宗クァンジョン〉。

高麗建国初期。太祖は有力豪族との政略結婚を重ね、王室の勢力を拡大していった。一方、母である皇后ユ氏は夫の愛を独占するため、幼い息子を人質のように扱う。やがて母は幼いワン・ソの頬に消えない傷を負わせ、その過ちから目を背けるように、彼を新州のカン氏一族へ養子に出してしまう。

美しい容姿が重んじられる高麗で、仮面をつけて生きる運命──。人々から「怪物」と呼ばれる人生の中で、ワン・ソは誰にも素顔を見せない、冷酷で恐ろしい“狼犬”として育っていく。

生まれて初めて、大晦日の儀式で他の皇子たちと並び役目を任された日。久しく会えなかった母に会えると胸を躍らせるが、待っていたのは、彼を「不吉の象徴」と見る母と兄弟たちの冷たい視線、そして恐れ知らずに食ってかかってくる“ヘ・ス”という少女だった。

「たった一つの傷で、長い人生を台無しにするな」と小言を言うヘ・スを見つめながら、ワン・ソはこれまで思い描いてきたものとはまったく違う人生を、初めて夢見始める。

ヘ・ス(高麗)|コ・ハジン(現代)

 演:IU

黒い太陽が昇る時、運命の相手を探す魂のタイムトラベルが始まった。

10世紀、高麗の女性。21世紀、大韓民国の“コ・ハジン”の魂が入り込んだ身体の持ち主。第8皇子ワン・ウクの妻ヘ氏の従妹で、病弱な姉の話し相手として、松獄ソンアクに来て数年が経つ。

鬼払いの儀式を前に、身を清める皇子たちをこっそり覗こうと、皇宮の沐浴場に忍び込んだヘ・スは、水に落ちて意識を失ってしまう。その瞬間、本来のヘ・スの魂が去り、代わりに入り込んだのがコ・ハジンだった。

恋人と親友に同時に裏切られ、人生のどん底に突き落とされていたハジンもまた、心停止寸前の状態から、なぜか高麗の宮廷で、ヘ・スの姿のまま生き返ったのだ。

どれほど隠そうとしても、他の高麗の女性とは明らかに違う言動、現代的な思考、優しく芯の強い性格──変わってしまったヘ・スの雰囲気に、第8皇子ワン・ウクをはじめとする皇子たちが次々と惹きつけられ、さまざまな事件に巻き込まれていく。

第8皇子 ワン・ウク

 演:カン・ハヌル

愛するすべてを守るために、自らが輝かなければならなかった。

文武両道の秀才で、高麗きっての知性派。第4皇子ワン・ソとは同い年ながら、まったく異なる運命と気質のもとで育った。身分の高低を問わず人を惹きつける天性のリーダーであり、優れた政治家でもある。

母方のファンボ一族は、ウクを次期皇帝に据えるため、総力を挙げて動いている。一族の期待と責任を一身に背負い、自分自身の人生を楽しむことを知らずに生きてきた彼の前に、ある日、昼間の鬼のように突拍子もない少女ヘ・スが現れる。

老成しすぎたウクに笑いと涙を取り戻させ、「普通の幸せを望む」という感情を教えてくれた存在。若くして政略結婚した妻ミョンと礼節ある関係を保ってきたウクは、ヘ・スを通して、生まれて初めて“愛”を知る。

彼女を手に入れるためには、熾烈な皇位争いに必ず勝たねばならない──そんな運命へと、静かに追い込まれていく。


チェ・ジモン

 演:キム・ソンギュン

天文と占いに秀でた、少し風変わりな天才。

いつも禅問答のような言葉を口にするため、太祖の信頼がなければ「狂人」扱いされていてもおかしくなかった。しかし彼が、天機を漏らすことと人間的な情の狭間で葛藤し、苦しみ彷徨っていることを知る者はいない。

第3皇子 ワン・ヨ

 演:ホン・ジョンヒョン

皇后ユ氏によって幼い頃から“皇帝”として育てられた、完璧無欠の男。

容姿、家柄、才能──次期皇帝として不足は何一つないが、ただ「遅く生まれた」という理由だけで正胤チョンユンになれなかったことが無念でならない。

異母兄ワン・ムを見るたび、自分の座を奪っているようで不快になる。常に他人のものを羨みながら育ったため、どんな些細なものでも手に入れなければ気が済まない。強欲で傲慢だが、外戚の後ろ盾も強く、兄弟たちにとっても厄介な存在。

他人の弱みを握って揺さぶるのを好む一方、実は感情は繊細で、自らの手を血で汚すことを嫌う潔癖な一面も持つ。
彼こそが、後の高麗第3代皇帝〈定宗チョンジョン〉。

第13皇子 ペガ(ワン・ウク)

 演:ナム・ジュヒョク

太陽でも星でもなく、ただ自由な風として生きたかった。

母が新羅王族出身で、幼い頃から芸術的感性を磨いてきた。書、絵、楽器、陶芸と何でもこなすが、特に琴(コムンゴ)の腕は卓越している。

兄弟たちは8皇子と区別するため彼を「ペガ」と呼ぶ。滅びた王家を外戚に持つため、皇位継承は初めから難しい立場。

悠々自適に人生を楽しんでいるが、国の情勢に無関心ではない。身分を隠して出会ったウヒを心から愛するが、二人の間には乗り越えがたい時代の痛みが横たわっている──。

第10皇子 ワン・ウン

 演:ベクヒョン

開国功臣ワン・ギュの外孫。

遊ぶことが大好きで、学問にも武芸にも興味がなく、心は子供のまま大人になった男。血気盛んな年頃で、関心はひたすら「恋愛」一色だが、聞きかじった知識ばかりで実用性はない。

過去から来たヘスと喧嘩を重ねるうちに情が芽生え、初恋を抱くが──。突然の運命で、大将軍パク・スギョンの娘、パク・スンドクとの婚姻が決まる。

結婚後もヘスを忘れられずスンドクを傷つけてしまうが、次第に自分だけを見つめる彼女への愛情を育てていく。

第14皇子 ワン・ジョン

 演:ジス

ワン・ヨ、ワン・ソと同じ母から生まれながら、兄たちとは違い、愛だけを一身に受けて育った“天性の末っ子”。

ハジンが高麗に来たばかりの頃は、虚勢ばかりの少年だったが、戦場を駆け抜けて帰還した後は、“胸を打つ男”へと変わっていく。

正胤 ワン・ム

 演:キム・サノ

皇帝として育てられたが、それを「福」ではなく「カルマ」として受け止めていた正胤チョンユン

太祖テジョワン・ゴンが晩年にもうけた最初の息子で、父の愛情と信頼を一身に受けて育つ。くまのぬいぐるみのように温厚な外見と性格を持つ一方、武芸においては無敵。

戦場ごとに武功を立て、早くから正胤(皇太子)に冊立された。父の側近たちとも分け隔てなく接する、謙虚で飾らず、よく笑う「いい人」だが、「良き皇帝」となるには、決断力や後ろ盾の面で力不足でもあった。
この人物こそが、後の高麗第2代皇帝〈恵宗ヘジョン〉。

第9皇子 ワン・ウォン

 演:ユン・ソヌ

建国功臣ユ・グムピルの外孫。

自分こそ皇帝にふさわしい器だと信じているが、彼を皇材と見るのはならず者ばかり。身なりに気を使い、贅沢を好み、世情にも精通しているかのように振る舞うが、現実感覚に欠ける。

財が手元にあるため周囲に人は集まるものの、心を打ち明け頼れる兄弟は一人もいない。ただ風に揺れる木の枝のように、有利な方へと渡り歩く人物。

ヨナ皇女

 演:カン・ハンナ

太祖と皇后ファンボ氏の間に生まれた、太祖が最も溺愛した娘。

身分にふさわしい品格と美貌を備える一方で、地位と身分への執着も非常に強い。女性として生まれたがゆえに皇位継承から遠ざかったことを、内心では悔やんでいる。そのため「皇帝の上に立つ皇帝」、すなわちキングメーカーになることを望んでいる。

先の読めない皇宮で、のんきに恋愛を語るヘスが我慢ならない。ヨナにとって、愛や結婚は感情ではなく、生死に関わる問題だったからだ。

皇宮の人々

太祖 ワン・ゴン

 演:チョ・ミンギ

巨大な樹のような存在。建国の英雄。

豪放でありながら繊細、残酷でありながら情に厚い。人心掌握に長け、その真意を容易に読ませない老獪さを持つ。

国を守るため、全国の有力豪族と数多くの婚姻を重ね、強固な基盤を築いたが、戦場を共に駆け抜けた長男ワン・ムへの愛が過ぎたことで、息子たちの間に不満を生み、死後の熾烈な皇位争いを招く原因となる。

皇后 ユ氏

 演:パク・チヨン

忠州院チュンジュウォン最大の豪族勢力ユ・グンドルの娘。人生に一切の欠点も許さない完璧主義者。太祖を心から愛しているがゆえに、幾度も婚姻を重ねる太祖に傷ついてきた。

だからこそ、自分の息子ワン・ヨを必ず皇帝にし、太祖に復讐したいと願っている。彼女にとって子どもとは、自らの完璧な人生のためなら、いくらでも利用し、捨てることのできる存在。

顔に大きな傷跡を持つため、早くから皇位継承から遠ざかった息子ワン・ソは養子に出し、才覚に優れたヨとジョンにすべての期待を託している。

皇后 ファンボ氏

 演:チョン・ギョンスン

黄州院ファンジュウォンの建国功臣の娘であり、ワン・ウクとヨナ皇女の母。

徳が高く、質素で賢明なため、百官から厚い尊敬を集め、皇后ユ氏から警戒されている。かつて太祖の誤解を受け苦しんだこともあったが、再び皇宮に戻ってからは、子どもたちの未来を切り開くため、尽きることなく知恵を尽くす。

一族にかかる重圧が子どもたちに向けられ、彼らの人生を歪めてしまったのではないかという自責の念に苦しみながらも、彼女にも、まだ夢は残っている。皇帝の寵愛を受けられぬのなら、せめて皇帝の母になりたいと。

大将軍 パク・スギョン

 演:ソン・ドンイル

太祖と共に高麗を建国した功臣、大将軍。

パク・スンドクの父でもある。荒々しい外見と豪快な話しぶりだが、娘スンドクにだけはこの上なく甘い。第4皇子ワン・ソの資質をいち早く見抜き、彼を皇位に就かせるため全力を注ぐ。

オ尚宮

 演:ウ・ヒジン

皇宮 茶美園タミウォンの最高尚宮サングンであり、ヘスの師。

端正な外見と、絶対的なカリスマを持ち、感情を容易に表に出さない。高麗建国以前から太祖の恋人だったが、今では皇帝の身支度を手伝い、ただ視線を交わすだけで満足しなければならない立場にある。

皇子たちと親しく接するヘスを常に不安に感じ、快く思っていない。彼女の運命が、かつての自分と重なるのではないかと恐れているからだ。

ヘ・ミョン(ヘ氏夫人)

 演:パク・シウン

第8皇子ワン・ウクの正室であり、ヘスのいとこ姉。

外見から気品が漂い、文と芸にも深い教養を備えている。慈しみ深く温かな性格で、周囲の人々を包み込む女性。

讒言により一族が皇宮から追い出された8皇子に一目で恋に落ち、結婚を決意し、再び松獄ソンアクで勢力を築けるよう、物心両面から支える。
8皇子から尊敬されてはいるが、愛されてはいないことを、本人もよく分かっている。

チェリョン

 演:チン・ギジュ

ヘスの侍婢。見るだけで心が和む笑みと、無邪気な笑顔の持ち主。

不遇な幼少期を過ごし、家族を養うため下女となったが、家族を恨むことはなく、常に家族のことを案じる心優しい少女。

誰よりもヘスと親しく、実の姉妹以上の存在だが──やがて、ヘスさえ知らなかった大きな秘密を抱えていることが明らかになる。

ウヒ

 演:ソヒョン

後百済の唯一生き残った血筋であり、最後の王女。

家族と国を失い、何度も生きることを諦めかけたが、高麗の皇帝への復讐心だけを支えに、必死に生き延びてきた。

太祖暗殺を目的に、皇宮の教坊で歌舞を担う妓女として身を潜める中、身分を隠して民の暮らしを見つめていたペガと運命的な出会いを重ねる。

亡国の王女でありながら、民の苦しみを見過ごせず、13皇子と葛藤を抱えることになる、悲運の女性。

パク・スンドク

 演:チ・ヘラ

大将軍パク・スギョンの娘で、第10皇子ワン・ウンの妻。

幼い頃から父に付き添って戦場を巡り、武芸を身につけ、どんな男にも引けを取らない「勇士」へと成長した。

幼少期の初恋相手である10皇子を忘れられず、父の反対を押し切って結婚するが、ヘスを想い続ける夫の心に、密かに胸を痛めている。

学識もあり聡明だが、10皇子の前に立つと緊張で言葉が詰まり、しばしば愚か者扱いされてしまう。どんな状況でもワン・ウンへの想いを捨てない、外柔内剛で一途な女性。

パク・ヨンギュ

 演:チェ・ビョンモ

高麗の後三国統一に功を立て、佐丞チャスンに任じられた人物。太祖の妃と、定宗の妃の父。定宗を皇帝に据えるため、後百済の王女ウヒを間者として利用する。

ワン・シンニョム

 演:パク・ジョンハク

太祖テジョワン・ゴンの従弟。西京を拠点とする強大な実力者で、松獄ソンアクで繰り広げられる甥たちの皇位争いを、
あくまで悠然と眺めている。誰が勝とうともその側につき、西京遷都を実現させるつもりでいる。

登場人物の紹介文は、韓国公式サイトの情報をもとに日本語でまとめています。

予告動画

OST(オリジナルサウンドトラック)

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感想『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』を観ようと思ったきっかけは、IUさんでした。以前『ホテルデルーナ』や『最高です!スンシンちゃん』を観てから彼女の演技が好きで、「IUさんが出演しているなら、一度は観てみたい」と思ったのが始まりです。

配信サービスのあらすじを見ると、時代劇にタイムスリップ要素があるとのこと。そのため、最初は明るくて少しファンタジー寄りの、気軽に楽しめる時代劇を想像していました。

実際に1話を観始めたときも、明るく楽しいシーンが多く、「この雰囲気なら最後まで楽しめそう」と感じていました。物語がこの先どう展開していくのか、そして主人公は現代へ戻ることができるのか──そんなことを考えながら、比較的軽い気持ちで見進めていたと思います。

ですが、すべてを観終えた今、残っているのはまったく違う感情でした。想像以上に心を大きく揺さぶられ、ドラマの中で生きる人たちの人生の苦しみを、一緒に味わったような感覚。切なさは簡単には消えず、愛が報われない苦しさが、静かに長く心に残る作品でした。

観終わった直後の率直な感想

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』を観終えた直後、しばらく余韻が抜けませんでした。エンディングを迎えても気持ちが切り替わらず、涙が止まらないまま、何度も物語のシーンを思い返してしまったほどです。

特に観終わった直後に心に残っていたのは、物語の終わり方でした。はっきりとした答えを示すのではなく、さまざまな受け止め方ができる余白を残したエンディングだったからこそ、
「また二人がどこかで出会えていたらいいな」
「今度こそ幸せになれていたらいいな」
そんな想像を、観終わったあとも何度も繰り返してしまいました。

はじめは明るく楽しいシーンが多いですが、物語が進むにつれてヘ・スの人生は次第に苦しさを増していきます。それでも彼女は、その時代の中で懸命に生き抜こうとします。

その姿があまりにも切なく、同時に強く、観ているこちらまで胸が締めつけられるような気持ちになりました。

観ながら何度も心に浮かんだのは、「この時代じゃなければ、みんな幸せになれたかもしれない」という思いです。けれど、それが叶わない時代だったからこそ、この物語はこれほどまでに苦しく、美しく感じられたのかもしれません。

簡単に人に勧められるドラマではありません。実際、誰かにすすめるとしたら「後半は心構えが必要かも……」と前置きしてしまうと思います。

皇子たちの権力争いが激しくなり、登場人物たちが少しずつ変化していく後半は、観ていて辛くなる展開が続きます。それでも、だからこそ心に深く残り、観終わったあとも長く考え続けてしまう──そんなドラマでした。

印象に残ったポイント・心を掴まれた理由

『麗<レイ>』で強く心を掴まれたのは、まずヘ・スという主人公の存在でした。彼女はタイムスリップという理不尽な状況の中でも、高麗の常識や生活に戸惑いながら、「今の自分にできること」を探し続けます。

石鹸を手作りしたり、小さな工夫で日々を楽しもうとしたり、周囲の人たちへの感謝を忘れずに過ごす姿は、芯の強さを感じさせました。

しかし物語が進むにつれ、皇子たちの権力争いは激しさを増し、ヘ・スも否応なく巻き込まれていきます。無実にもかかわらず処刑を命じられ、彼女を庇うためにオ尚宮が犠牲になる出来事は、この時代の残酷さを強く突きつける場面でした。

もし自分の無実を主張しなければ、誰かの命が失われることはなかった──その事実を背負って生きていくヘ・スの苦しさは、言葉では表しきれないものだったと思います。

その後、さらに身分を落とされ、教坊の下働きとして生きることになったヘ・ス。どん底とも言える状況の中で、それでも彼女が口にした「生きたい」という言葉は、今も忘れられません。惨めさや孤独の中でも、命をまっとうしようとする姿に、胸を締めつけられる思いがしました。

ヘ・スは現代人としての感覚を持ったまま高麗で生きることになり、周りに支えてくれる人がいても、常にどこか孤独を抱えていたのではないかと思います。時代による価値観や常識の違いが大きすぎて、自分自身を“異物”のように感じてしまう瞬間も多かったはずです。

だからこそ、母親からも兄弟からも距離を置かれ、孤独の中で生きてきたワン・ソの痛みを、誰よりも深く理解できたのだと思います。

一方で、はじめに紳士的で知的、そして優しいワン・ウクに惹かれた気持ちも、とても自然でした。しかし権力争いが激しくなるにつれて、ウクが少しずつ変わっていく中で、ヘ・スを守るために常に行動で示そうとするワン・ソの存在が、時間をかけて彼女の心に近づいていきます。

その気持ちの移ろいは唐突ではなく、時代と状況に翻弄されながら生きる中で生まれた必然のように描かれていて、とてもリアルで強く印象に残りました。

皇子たちそれぞれの人生も、この作品の大きな魅力です。

ワン・ウクは理性的で優しく、家族や一族を最優先に考える人物でしたが、ヘ・スを守れない無力感から少しずつ変わっていきます。賢さゆえに先を考えすぎ、目の前の大切な人を守れなかった彼の変化は、理解できるからこそ苦しく、切なく感じられました。

一方、顔に傷を持ち、人との関わりを避けて生きてきたワン・ソは、ヘ・スと出会うことで少しずつ変わっていきます。怖がらずに向き合ってくれる存在に救われ、人を大切にすることを覚えていく姿は、物語の中で一筋の光のように感じられました。辛い時に必ず手を差し伸べようとする彼の存在は、ヘ・スにとっても、観ている側にとっても希望だったと思います。

また、ワン・ジョンの成長も印象的でした。少年のようだった彼が、静かに、そして誠実にヘ・スを守り続ける姿には、胸を打たれるものがあります。想いを押し付けることなく、「友達だからな」と言いながら寄り添う姿が、とても美しく感じられました。

この作品の恋愛は、甘さよりも報われなさが強く残ります。愛し合っていても、時代や立場、選択によって結ばれない。誰かが幸せになるためには、誰かが犠牲になる──そんな現実が繰り返し描かれるからこそ、物語は深く、重厚で、そして忘れがたいものになっているのだと思います。

嬉しいよりも苦しい感情が勝つ場面が多いにもかかわらず、それでも観続けてしまったのは、「ヘ・スは幸せになれるのだろうか」という祈るような気持ちが、最後まで消えなかったからでした。

気になった点・合わないかもしれないところ

正直に言うと、私にとって『麗<レイ>』は観ていて感情を強く引きずる作品でした。物語の途中から、ヘ・スの人生は精神的にも非常に過酷になっていき、涙が止まらない場面が続きました。

序盤は、ヘ・スが周囲の人々や皇子たちに見守られながら過ごす、比較的明るく穏やかな時間が描かれます。そのため、気持ちを楽にして観始めることができますが、物語が進むにつれて兄弟たちが皇帝の座を強く意識するようになり、空気は一変します。

ヘ・スから笑顔が消えていくような出来事も重なり、観ていて辛いと感じる場面が増えていきました。

また、この作品は明るい展開を期待していると、かなり苦しく感じるかもしれません。恋愛要素はあるものの、すべてが報われるわけではなく、どうしても避けられない別れや犠牲が描かれます。そのため、途中で視聴を続けるのが辛くなる人もいるかもしれません。

それでも最後まで見続けられたのは、登場人物たちの心の変化がとても丁寧に描かれていたからです。良い方向に変わっていく人もいれば、時代や立場に飲み込まれて変わってしまう人もいる。そのどちらにも人間らしさがあり、それぞれの人生を最後まで見届けたいと思わせる力がありました。

観る前に知っておきたかった点があるとすれば、物語が進むにつれて「楽しいだけのシーン」は少なくなっていくことです。もし「ただ楽しさを味わいたい」という気持ちでドラマを探している場合は、少し心構えが必要かもしれません。

そのため、とにかく明るい恋愛ドラマを求めている人には、正直おすすめしにくい作品です。一方で、人の心の揺れや人生の重さをじっくり描いた物語が好きな人にとっては、深く刺さる作品だと思います。

こんな人におすすめ

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』は、誰にでも気軽にすすめられる作品ではありません。けれど、次のような方には、きっと深く刺さるドラマだと思います。

  • 切なさや余韻が長く残る物語が好きな人
  • 恋愛だけでなく、人の人生や選択を丁寧に描いた作品を求めている人
  • 完全なハッピーエンドでなくても、心に残る物語を観たい人
  • 登場人物の心の変化や成長、時には堕ちていく姿も含めて受け止められる人
  • 観終わったあとも、しばらく作品のことを考えてしまうタイプの人

「ただ楽しいドラマが観たい」という気分の時よりも、じっくり腰を据えて、感情ごと作品に向き合いたい時におすすめしたい作品です。

続編はないけれど、続編を観たくなる

この作品は、中国の小説『歩歩驚心』が原作で、中国でもドラマ化されているのだそうです。そして中国のドラマには、現代を舞台にした続きの物語が描かれているものもあると知りました。

『麗<レイ>』を最後まで観たあと、私はふと、「もし現代に生まれ変わった二人が、もう一度どこかで出会えていたら……」そんな想像を何度もしてしまいました。もし、あの二人が現代に生まれ変わり、もう一度、何気ない日常の中で出会えていたら──。

それは物語として用意された答えではありません。けれど、そう願わずにはいられないほど、この作品は私にとって心に長く残る物語だったのだと思います。

続編がないことは分かっていても、「いつか韓国版でも、その先を見てみたい」そんな気持ちを抱かせてくれるドラマでした。

楽しいだけではないけれど、この作品をおすすめしたい理由

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』は、観る人の心を揺さぶるドラマです。楽しいだけの時間は続きませんし、苦しさや切なさから目を背けたくなる瞬間もあります。

それでも、人の人生や愛の形をここまで丁寧に描いた作品は、そう多くないと感じます。

もし今、

  • 心に残る物語を求めている
  • 多少つらくても、忘れられないドラマを観たい

と思っているなら、この作品はきっと、あなたの心に残り続けるドラマになると思います。

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』は現在、ユーネクストで独占配信されています。少しでも気になった方は、まずは1話だけでも観てみることをおすすめしたいです。

配信『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』

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